東海岸道路を両津方向に向けて走行し、真木のバス停のすぐ手前に左へと折れる道がある。ここを真っ直ぐ進むと、やがて前方左手に椎の木の群落が見えてきた。これがかの有名な宝珠院、別名「椎の木寺」である。久地殿の長女の菩提寺であり、その法名を寺名とした。この椎の木が茂る一帯は、昔はお殿様の牧場(まきば)だったそうで、これが真木(まき)の語源となったと言う説もある。椎の木を見ながら境内の裏手へと向かう「巨椎の小経(こみち)」なるものがあり、ここを通って本堂へと進んでみた。椎の巨木が並ぶ姿は圧巻であり、この様な寺は佐渡ではここだけであろう。境内には地蔵堂があり、ご本尊は不動明王である。大師堂は、近くの宝光寺境内にあり、ここへも行ってみた。宝珠院境内から椎の木越しに見える真木集落の海岸線は綺麗であり、その昔は、牛や馬が草を食んだのどかな牧草地帯だった事が窺い知れた。
http://www.digibook.net/d/ed45859b80992e706fe8af909023b74e/?viewerMode=fullWindow