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Channel: 佐渡の翼
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寿司「岩瀬」(東京新宿)その2   投稿者:佐渡の翼

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まずは標準ズームレンズのオートモードで撮った写真。中央部に焦点が合い、前部と後方がボケている。お料理雑誌向けの写真である。


筆者は午前11時半の開店と同時にお店にお邪魔した。店内は9席のカウンター席があるだけで、氷が敷き詰められたネタ箱が三箱あるものの、その中にネタはまだ入っておらず、立派な毛蟹だけがカウンターの上に鎮座ましましていた。ご主人は、きりりとしたいい男で、目付きが物凄く鋭い!筆者は、カウンター席の右端に陣取り、開口一番、「ばらちらしをお願いします」と言った。親方は、まず、ラップにくるまれた玉子焼きを取り出し、丁寧にラップを剥がした後、それを一センチ四方のサイコロ状に切り分けた。次いで、奥の厨房に居る弟子に向かい、「おい、たか!アイナメを硬めに焼いてくれ」と命じた。そして親方は、本ワサビを摩り下ろした後、それを小茶碗に入れ、その上にたまり醤油を注ぎ、丁寧に指でそれらを掻き混ぜた。次いで、布巾にくるまれた、一センチ大のサイコロ状に切り分けられた15種類の魚介ネタを一つまみ取り出し、それをワサビ醤油の中で合え、即席のヅケにした。ネタの種類は、穴子、かすご、きす、こはだ、えぼ鯛、金目鯛、鮪、鰺、椎茸、等々で、後は忘れてしまった。最後に、親方は錦糸玉子をまぶした酢飯の上にそれらと、雲丹、いくらをトッピングし、仕上げに、刷毛で、煮切りをさあ〜っと軽くネタの上に塗り、10分ほどで、待望のばらちらし(1700円)が完成した。

酢飯は、夜の部と違い、酢加減を抑え気味に仕上げてあり、人肌の温かさである。今回は標準ズームレンズを持参したので、まずは、オートモードで撮ってみた。すると、大口径でレンズフード付きの一眼レフを見たご主人は、筆者を料理雑誌の取材記者と勘違いしたのかどうか分からぬが、「お客さん、写真を撮ってどうするんですか?」と問うて来た。筆者が「あのお〜、ブログに載せたいんですがいいですか」と遠慮がちに答えたら、ご主人は「ああ〜、どうぞ」と言いながら撮影を許可してくれた。このばらちらしを一口食べてみたら、口の中で様々な魚介の味が絡み合い、物凄く美味しい!筆者は夢中で丼を掻き込み、一気呵成にわずか5分で食べ終えてしまった。その様子を見ていたご主人は、「お客さんの中にはねえ〜、ネタを一つ一つ箸で摘みあげて見つめ、唸りながら食べる人がいるんですが、あれは見てると嫌ですよ。だったら、ばらちらしなんか注文せずに、普通のちらし寿司を頼めばいいと思いますよねえ〜。その点、お客さんの食べっぷりは素晴らしいですね。いやあ〜、これだけすかっと美味そうに一気に食べて頂くと、作った私も気持ちがいいっすよ」と、当方の食べ方を褒めてくれた。そうなのだ、海鮮丼の美味しい食べ方とは、小学生のように脇目もふらずに一心不乱に食べ捲くる事なのである。若い女性のように、お上品にちまちま食べてちゃいけません。一気に食べて、最後に「ああ〜、美味しかったあ〜」と言う表情をする、それが美味い海鮮丼を作ってくれた職人さんに対するお礼を兼ねた礼儀なのだ。お会計を済ませたらご主人は、「是非、いいブログを書いて下さい」と言いながら筆者を送り出してくれた。客も作り手も双方大満足でハッピーな気分に浸りながら、筆者は、東京で一番美味いと思う、ばらちらしを作ってくれた、寿司「岩瀬」さんを後にした。



カウンターの上には



立派な毛蟹があった



ご主人です



ネタケースの中は皆無!



マニュアルモードでお料理全体を撮影



前後のピントを合わせて撮影



更に拡大して撮影。この写真は販促用のカタログ写真やネットショップ用の写真に適している。







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