赤泊城の山公園は、別名、赤泊城跡公園と言うくらいだから、その昔は、この地に赤泊城があった。そしてその天守閣に見立てた5階建ての展望台が、村政100周年の記念事業として建設された経緯があった。展望台の内部は民話の里をテーマにした展示館になっており、麓にある赤泊郷土資料館の展示内容と重複しないようにと無理やり箱物を作り上げたような代物であった。何せ、入ってすぐの右手に、既に引退し、一時期格闘家に転向した元横綱曙関の等身大の優勝記念パネルが何故か陳列されているのだ。曙は赤泊とは何の縁もないのにだ。。。のっけから妙な展示館に入ったと思った、更に靴を脱ぎ、スリッパに履き替えろとの指示まである。内部には空調設備はなく、維持管理のための係員も常駐していない。春や秋ならば構わないが、気温の高い夏や逆に凍えそうな冬に来る観光客などは皆無だろう。
1階には、越後の上杉景勝が佐渡へ攻め入った際に、腰細城主がこれを迎撃したが、その際の戦いの様子をブロンズ像にした物が展示されていた。腰細城主は大切にしていた、金の握り観音像が敵軍に渡るのをおそれ、愛犬「夜叉丸」に、城主が自刃した事を書き記した書状を食わせさえ、羽茂城主に届けさせた。ところが夜叉丸は敵の攻撃に遭い、追いつめられた後に、犬落の滝に落ちて死んだと言う。だが、肝心の握り観音像がどういう運命を辿ったかについての記載は無かった。2階は、寺泊と赤泊の力自慢同士が春と夏に互いの地を訪問して相撲を取ったと言う民話の紹介展示場。3階は、小牛会いたさに、越佐海峡を泳いで渡り、赤泊の海岸に到着するや否や力尽きて死んだ悲しい母牛の伝説を紹介する像が展示されており、4階には、瓜の沢に出現した蝶ねえと村男の恋物語の民話を紹介する青銅色の像があった。5階部分は、展望台になっており、ここから晴れた日には遠く、信州の白馬岳まで見渡せるそうだ。
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