「立てばシャクヤク座れば牡丹、いずれが菖蒲(あやめ)か杜若(かきつばた)」とは美人の形容によく用いられるが、5月の中旬から下旬にかけて、佐渡の長谷寺では牡丹の花が見頃を迎える。筆者は、9月中旬にこのお寺で百日紅(さるすべり)の花を見た事があるが、牡丹の花はいまだかつて見た事がない。
さて、いつもお高い都心の一流ホテルのフレンチや和食ばかりでは少々食傷気味になってきた。そこで、たまには庶民的な値段のお店でもと思い、繁華街の中華料理屋へ行く事にした。筆者は、5月中旬のとある日、渋谷は宇田川町の交番近くにある、安くて美味いと評判の兆楽さんにお邪魔する積もりだった。だが、当日は暑い上に、安い店の椅子に座って服が汚れるのも嫌だしい〜と思い、予定変更で、渋谷西武A館8階のレストラン街に行ってみた。午前11時の開店と同時にレストラン街に到着した。相変わらず回転寿司の美登利寿司の前には行列ができていたが、その他のお店には客の数はまばらだった。代官山に本店がある中華料理屋などもあったが、「野菜ソムリエ」っちゅうのがわざとらしくてそこは止めにし、隣を見たら、「500kcalでフルコースが食べられるダイエットレストラ」、つうのがあった。予約して訪れたらしき40代のおばさん連中がいそいそと中に入って行ったが、「ダイエットしたきゃあ〜、夕食のカロリーを削れよ」と心の中でつぶやいてあげた。
佐渡では冬季しか牡蠣を味わえないが、春牡蠣と言うのは産卵前で身に栄養を蓄えていて美味なのをご存知だろうか?東京には全国各地から牡蠣が集まるので四季を問わず牡蠣を味わえるオイスターバーがあちこちにある。そんなオイスターバーが渋谷西武にもあった。店名はそのものずばりで「Fish&Oyster Bar」と言う。11時10分にお店にお邪魔したら先客は皆無だった。筆者はオイスターランチ(1980円)を注文した。まず、牡蠣のエキスが滲み込んだプチスープが出てきた。う〜ん、いいダシが出ているぞ。次いでシーザーズサラダと「生牡蠣、牡蠣のマリネ」(画像)が出てきた。牡蠣は長崎の九十九島産だそうだ。どれもいいお味である。これを平らげると、牡蠣とじゃがいものクリームグラタンのご登場!小振りの牡蠣が2個入っていたがこれも美味だ!最後は牡蠣ときのこのペペロンチーノパスタ(ハーフサイズ)だが、これは佐渡の佐和田のどこかのレストランで提供されるパスタ同様田舎パスタで不合格!ま、1980円である、文句は言えまい。